Month5月 2013

創業期の仲間を集める方法と過程が描かれている「ともに戦える「仲間」のつくり方」

Facebookのタイムラインで見て、求職者に課金するタイプの転職サイトのビズリーチの創業者の方が書いた「ともに戦える「仲間」のつくり方」を読みました。筆者の方とお会いしたことはないのですが、人づてに順調に伸びているという話を何度か聞いたことがあるので興味を持ちました。

ビズリーチの創業時のエピソードがまとまっています。タイトルのとおり、特に仲間を見つけて、仕事を任せるまでの流れについて多くふれられています。

とにかく著者の南さんの行動力がすごいです。プログラミングやウェブの知識があまりない中、仲間を探すために、とにかくエンジニアとたくさん会ってそのたびに自分がやろうとしていることを熱意を持って伝えていき、参加したエンジニアの勉強会で出禁になるほど勧誘していたそうです。また、多くのエンジニアから打算的で一緒に働きたくないというような厳しい指摘を受けたことも描かれています。

よい人が見つからないみたいな話は多くの経営者から聞きますし、自分も何度も他の人に愚痴ってしまった気がしますが、そんなこと言ってる暇あったらとにかくたくさんの人とあうべきだと気が付かされます。南さんは会う人すべてに熱意を持って自分のやっている事業ややりたいことを伝えるようにしているとのことです。

「草ベンチャー」と表現しているのですが、他の会社でフルタイムで働いている人に週末などにタダで働いてもらっていたようです。筆者がいかに人を動かすのが上手いかがわかります。

ビジネス書というよりかは小説に近い印象です。

ともに戦える「仲間」のつくり方 ともに戦える「仲間」のつくり方
南 壮一郎

ダイヤモンド社
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わかりやすい小説形式でネットビジネスの本質を学べる「ネットで儲ける王様のカラクリ」

何度かECサイト運営やウェブマーケティングについて教えてもらったりとお世話になっている竹内さんの新刊「ネットで儲ける王様のカラクリ ~物語でわかるこれからのWebマーケティング」が出ていたので買ってきて読みました。これからはじめてネットビジネスに取り組む方にはぜひ読んでほしい本でした。業界ですでに働いている方はどこかで聞いたような話が多くて楽しめますし、新しい気づきもあると思います。

「ホームページ制作なんて、人間の仕事じゃない」
というキャッチーなフレーズが出てくるのですが、クライアントにまったく採算のあわないであろうサイト制作を提案する悪質な会社を登場させて、そこがどんなサービスを提供しているかを説明することで、どういうやり方が駄目なのかを伝える形式になっています。インターネットビジネスは外注して他社に完全に任せてしまう形で上手くいくほど甘くないということがよくわかります。

自社の強みを活かしてちゃんとコンテンツをつくり、ネットだけで完結させずにリアルも含めてビジネスを構築する必要があるということが、花屋のサイトを例に解説されてます。

僕もネット業界でしばらく働いているので、やる前からこれは明らかに失敗するだろうという企画と出会ったことが何度もありますが、そういう企画を立案するのを避けられる本です。上手くいくかどうか微妙で失敗する確率が高いことがわかっているがあえて挑戦するのと、無知なことが原因であきらかに駄目なサイトを作るのは話が別です。
できるだ成約率を上げるためのサイトの制作や集客をどうするかといったテクニックの問題ではなく、そもそものビジネスのコンセプト設定を間違えないようにするべきということが本書を読めば理解できると思います。

ネットで儲ける王様のカラクリ ~物語でわかるこれからのWebマーケティング ネットで儲ける王様のカラクリ ~物語でわかるこれからのWebマーケティング
竹内 謙礼

技術評論社
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スケールするビジネスアイデア検討の参考になる 「Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール」

インターネット関連の仕事をしているので、動向に注目しているYコンビネーターについての本「Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール」が出ていたので読んでみました。参考になる本でしたので、起業家の方におすすめです。

Yコンビネーターはテッククランチなどのインターネットビジネス関連のメディアでよく取り上げられていますので、日本のスタートアップ業界でも注目している人が多い会社だと思います。

数十のスタートアップにまとめて少額を投資し、株式の数パーセントを取得し、創業者たちに助言をしたり、投資家を集めたイベントを開催したり、投資家や提携先を紹介したりといったことをしています。2,000社以上の応募の中から厳選した60社強の会社に同額を投資して、3ヶ月間はYコンビネータのパートナーや同期生が連絡を取り合いながらスタートアップをどう伸ばすかに試行錯誤していくという仕組みです。3ヶ月の最後に開催されるデモ・デーでは、すべての創業者と、投資を検討している数百人が集まり、1社あたり2分半でプレゼンして投資家にアピールする機会が与えられます。

マーケットが本当にあるのか?
市場規模はどれくらいか?
それは本当にスケールするビジネスになっているのか?

といったビジネスアイデアに関する助言が多いようです。3ヶ月期間がある中で、最初に持ってきたアイデアをそのまま続けるのではなくて、途中でまったく違うビジネスに変更するスタートアップもけっこうあるみたいです。

「スケールする」ということが急成長に欠かせないとしていて、労力に比例せずに成長できるというような意味です。以下のように表現されています。

プログラマーがウェブサイトのデザインについて助言するコンサルティング会社はスモールビジネスの開業であってスタートアップの起業ではない。しかしウェブサイトの構築を自動化して容易にするようなソフトウェアを開発する会社を作るのならそれはスタートアップの起業だ。
125ページから内容抜粋

このYコンビネータ創業者のポール・グレアムの定義でいえば、日本のいわゆるベンチャー企業でスタートアップのビジネスに該当している会社は半分もないでしょう。僕の経営している会社がやっていることも現状ではスケールしたビジネスではありませんので、スモールビジネスの開業に該当しています。スタートアップが資金を集めて一気にリスクをとって早めにエグジットを狙うのに対して、スモールビジネスはあまりリスクを取らずに少しずつ積み上げていって大きくしていくというものです。

本書の中でポール・グレアムが最初に参加者全員に、参加したスタートアップの半分以上は失敗するという説明をする場面あるのですが、その言葉からわかるように、当然失敗する人のほうが多いです。ただ、スモールビジネスにしても全体の会社の生存率が、5年で15%、10年で6%というデータから考えると、生き残る会社よりも潰れる会社のほうがはるかに多いので、失敗しても良いという気持ちでホームランを狙いにいったほうがいいという考え方があるのは納得できました。

グレアムは、ビジネスアイデアを生み出す方法として以下3点をあげています。

1.創業者自身が使いたいサービスであること
2.創業者以外が作り上げるのが難しいサービスであること
3.巨大に成長する可能性を秘めていることに人が気づいていないこと
127ページ

1番は意外と実践できてない会社も多いのかもしれません。すごくプログラミングの得意な2人組が、市場性だけを見てまったく興味のないファッションのサイトをつくるという例が紹介されてました。自分が便利だと思えるものを作れなかったらニーズと提供するものが乖離していくでしょうから、サービスはやはり広まりづらくなりそうです。

2番に該当するほど高度なことをできる人は、有名な大学で特定の分野に強い研究室に入って博士号を取るような人たちや、特定の業界で長年の経験がある人たちなどになるのでしょうが、該当する人と分野が両方揃うのは稀です。

3番目は探せば意外とたくさんあるので、そこを見つけて他よりもスピード感をもって一気にシェアを獲得するという戦略なのでしょう。そのために夏、冬とそれぞれ2,000以上もの会社のビジネスモデルを見て、よいものを探しているのだと思います。
Yコンビネーターの人たちはこの3ヶ条の中では、3番目に特に注力しているように感じられました。

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ランダル・ストロス,滑川海彦,高橋信夫,TechCrunch Japan翻訳チーム

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着実に積み上がるビジネスで稼ぎつつ、少しずつスケールしそうなビジネスにも手を出していきます。
ファイナンスをして一気に市場を獲得するというのもプロジェクトごとに別の会社をつくって挑戦していきたいです。