サバイバル時代の海外旅行術(高城剛)に続けて読んでみました。
タイトルにあるような安く飛行機に乗るための方法を解説するのがメインではないですが、おもに欧米の事例を中心にして空港や航空券の現状がまとめられていて参考になる本でした。

70円で飛行機に乗る方法 マイルを使わずとも超格安で旅行はできる  (宝島社新書) 70円で飛行機に乗る方法 マイルを使わずとも超格安で旅行はできる (宝島社新書)
高城 剛

宝島社
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LCC(ローコストキャリア)の紹介と、LCCの普及でどう世の中が変わっているかを説明しています。LCC(Low Cost Carriar)とは格安航空会社のことで、効率化とサービスの簡素化で値段を従来よりも大幅に下げて運営しています。料金は10分の1ほどまで下がっていることもあり、燃油サーチャージを除けば数千円で使うことができます。大幅な普及によってあたかもバスのように飛行機を利用できるようになりつつあり、週末ちょっと遠出するために使うというような用途が増えているようです。

代用的なサウスウエスト航空ライアンエアーなどを事例にあげてLCCとはどのようなものかを説明していてわかりやすいです。

LCCの普及によってその利便性からハブとなる空港が各地にあらわれてきている一方で、成田空港は次第にハブとしての力を失いつつあるとのことで、その理由として以下をあげています。

1.日本の空港は滑走路の少なさによる発着数の上限が低く、すでに大手がよい枠を抑えているために新興の航空会社が入り込む余地が少ない

2.世界的に見ると他国への乗り入れでも価格の自由協定が定められつつあるが、日本は規制で価格統制がおこなわれている。JALやANAといった大手を保護する路線が明確

3.成田空港は都心部からかなり離れていて不便

4.日本でもLCCが登場したが、大手がピンポイントに重なる部分だけを値引きするなど、露骨なつぶしにかかった

5.空港の利用のためのコストが高く、それがチケット代に反映されてしまう

日本の首都圏以外の在住者が、国内線で羽田まで行き、そこから成田で国際線に乗り換えるよりも、韓国の仙川国際空港を使ったほうが早いし安いので、そちらに流れつつあるということが説明されています。日本も仙川国際空港やシンガポールのチャンギ空港のようにアジアのハブとなるための対策を取るべきだということはあきらかですが、空港の利用料や滑走路の問題はすぐに解決するものではないので、このまま地位を低下させていくことになってしまいそうだと思うと残念です。

旅行をするときにハブとなる空港を決めて、そこを中心としてLCCで往復しながら移動することで、安価に多くの場所を回るという方法は今後一般的になっていくので、そういったときにハブとして使ってもらえる空港を持てるかどうかはその国の発展に大きな影響を与えそうです。

ヨーロッパのようにLCCが普及して数千円で近隣の国に移動するのが当たり前になれば、空港の利便性は移住先を決めるうえで非常に重要な要素になりそうです。