インドネシアのオフィスを設立したのですが、そこの責任者はインドネシア人の経験豊富な方になってもらいました。

日本人ではなくて現地人が海外支社・オフィス・支店などの責任者になることのメリット・デメリットについて考えてみました。

別に今回採用した人がどうかという話ではなくて、一般論としてどうかについてまとめています。

現地人責任者のメリット

他のメンバーのマネージメントをしやすい

現地の他のスタッフとのコミュニケーションに通訳が入らなくてよいため、よりスムーズに話が進むでしょう。
また、現地の仕事のスタイルに対する理解も日本人よりはあることが多いと思いますので、他の人と意思疎通しやすそうです。

日本人とくらべると、同じ給料でより優秀な人を採用しやすい

日本人を海外に駐在させるとなると、少なく見積もっても30万円以上はかかります。
日本人で30万円で雇える人は普通の人というレベル感だと思うのですが、たとえばインドネシアでは大卒の初任給が3万円くらいなので、月給30万円もらっている人がいればそれはすごく優秀で経験のある人になります。要は同じ給料を出しても採用できる人の層が違うということです。実際には若干給料を落として採用する会社が多いと思いますが、それでも優秀な人が採用できるということは大きなメリットでしょう。

現地の仕事関連の知り合いがいる

責任者クラスの経験を持った人になると、ある程度業界内で知り合いというか仕事の相談をできる人脈を持っていることが多いでしょう。
新しく日本人が行ってゼロから現地で人脈をつくっていくよりかは早く、何か困ったことがあったときに相談できる人が見つかりやすそうです。

国籍が理由の手続きがない

ビザやワークパーミットなどの手間が減ります。他にも日本人はできないけれども、現地人であれば簡単に進められる手続きはいろいろとあると思います。

現地の会社に営業しやすい

やはり日本人が行くよりも、現地人同士で話したほうがスムーズに話が行きやすいような気がします。
仮に現地語を話せる日本人が責任者であったとしても、ローカルの会社に営業に行く時には現地人が行ったほうがいいと思います。

国籍による役職の垣根がないように見えて現地メンバーのモチベーションが上がる

現地人がトップであれば、日本人でないと出世できない、トップになれないというように勘違いされることが減ります。
これによってメンバーのモチベーションが高くなりやすいのではないかと推測しています。

仮に日本人マネージャーが現地オフィスの責任者になったとしても、現地人でも努力次第で同じポジションにつける可能性があるというのを言葉や文面で伝えるようにはしたほうがよいでしょう。
ただ、人事評価の規則や口頭で国籍による垣根は一切ないと伝えるだけよりも、実際に現地人が責任者として働いている姿を見せるほうが説得力があるんじゃないかなと。

現地人責任者のデメリット

現地の他の会社の仕事のやりかたの負の部分を引き継ぐ可能性

メリットの部分で現地の仕事のやり方に対する理解があることをあげましたが、裏を返すとそのやり方が良くない場合でもそれをそのまま続けてしまう可能性があるということを意味します。たとえばいつも遅刻する、納期を守れないみたい時間にルーズという点を前職の意識のままの責任者がいたとすると困ります。

遠隔で指導することは多少はできたとしても、結局責任者によってそのオフィスの文化がつくられると思うので、良くない仕事のやり方をそのまま引き継がれないように注意が必要だと思います。

日本人、日本の会社への営業ができない

海外で仕事をしていると、ありがたいことによく日系企業からのお問い合わせや紹介をいただけるので、日系企業関連の仕事は多いです。現地の責任者が日本語を話せないとなると、この部分の営業が難しくなりそうです。

ただ、必要になったら日本人の営業担当者を1人おけばいいだけではあるので、大した問題にならないですね。

資料など仕事のアウトプットの翻訳が発生する

社内でコミュニケーションを取る分には全部英語でも大丈夫なのですが、日系企業との仕事をしていると作成した資料などをアウトプットを日本語で提出する必要があり、最初から日本語でつくる場合とくらべて翻訳する手間が増えます。

過度に従業員側の視点に立つ可能性

海外オフィスの責任者は、経営側と従業員側の両方の意見を聞いて、バランスをとって舵取りしていく必要があります。
日本人が責任者になった場合、日本人マネージャーとメンバーの距離感がある程度できやすいため、結果として経営側と日本人マネージャーの距離が近くなるような気がします。一方で現地人がマネージャーになった場合、メンバーとマネージャーの距離が近くなるため、どちらかというと従業員側に寄り添った意思決定をしやすくなるのかなと思います。
バランスの問題なので、どちらかに偏りすぎなければそれでいいのですが、組織としてのアウトプットではないところに焦点があたってメンバーを過度に保護するようになると危険なのではないかと考えています。

まとめ

メリットとデメリットを比較してみましたが、会社の状況や規模に応じて適切な方法は変わってくるので、正解は特にないですね。

個人的には国籍によって役職を区別したくないと考えているので、できるだけ現地の人にトップになってもらいたいですが、それで上手くいくのかどうかはやってみないとわかりません。
ただ、数人にやってみてもらってダメだったとしても、諦めずに続けないと結局他の一般的な日系企業と同じようなスタンスや考え方に収まってしまうので、根気強く続けていきたいです。
やっぱり日本人じゃないと上手くいかないみたいな先入観に基づく諦めで、現地人を重用する方針をやめるのが最悪のパターンだと思うので、そうならないように気をつけます。外国籍のマネージャーが悪いのではなく、その人を選んで採用した自分の判断に問題があったか、こちらからの働きかけが良くなくて活躍してもらう環境を作れなかったという自分が原因の思考をしていきたいです。

同じくらいの金額を出すと日本人よりも外国人のほうが優秀な人を雇いやすいので、カントリーマネージャーにするかどうかは別の問題として、現地の優秀な人を継続的に採用できるような体制を整えるのが重要だと思いました。

国籍による役職や給料の差を取り払っていくと、日本人の給料が下がっていき、現地は上がっていくということになります。
結果として日本人が現状の給料をもらい続けるには、他の国籍の人との給料差に納得がいくほどの活躍をするしかないと思うのですが、
そうなると日本人はかなり優秀な人しか居場所がなくなるんじゃないかと推測しています。