「未来に先回りする思考法」を読みました。将来をどう予測すればいいかがよくまとまっている良い本でした。

著者の佐藤 航陽さんは、アプリ分析とマーケティング自動化のツールmetaps(メタップス)や、オンライン決済のSPIKE(スパイク)を運営している株式会社メタップス社長です。上場前からかなり大きな規模のファイナンスをしていて、最近マザーズに上場されています。人口知能や宇宙といったテーマでも活動しているようです。

他の未来予測の本は著者の意見として具体的にどういった未来が到来するのかだけを解説したものが多いのですが、この本「未来に先回りする思考法」はどのように将来を予測するべきかを詳しく説明しているのが特徴でした。

未来は決まっていて、人にできるのはその未来の到来を早めることだけ

アイデア自体は、将来における「点」なのです。そのときは突拍子もないように思えても、時間の経過とともに、技術面や価格面でのブレイクスルーによってピースが埋まっていき、いつかどこかで進化の「線」に取り込まれます。問題はそのタイミングがいつかということです。

実は、テクノロジーを「点」ではなく「線」で捉えている人たちにとっては、どの事業を足がかりにするかという「道」はそれぞれ違えど、その「目的地」はほぼ同じです。
p63

タイミングが重要。早すぎても遅すぎてもダメ

以下は無線での送電を研究していたテスラの1904年のインタビュー。
結局テスラの実験は1917年に失敗に終わった。無線送電の技術は、2015年に三菱重工が実験を成功させた。テスラは100年も先に行っていた。

「ポケットに入れて持ち運べる安価で操作の簡単な装置によって、海上でも陸上でも受信でき、世界のニュースや、ある目的に合った特別なメッセージが伝えられるようになるだろう。こうして地球全体が、互いに反応し合う巨大な頭脳になるのである。わずか100馬力の施設一つで、何億もの情報器具が操作できるため、このシステムは実質的には計り知れない能力を発揮しうるし、情報伝達は大幅に簡易化され、費用も安くなるに違いない」p69

1904年の段階でこの内容を予測していた天才であってもタイミングが早すぎれば事業は上手くいかない。

国家と企業の関係の変化

強大な多国籍企業が今まで国家が担っていたインフラの部分すらも対応しつつある。これによって企業と国家の境界線が融解していって、共生関係を構築するようになっている。

中国でFacebookやGoogleが規制されたように、国家と多国籍企業の駆け引きがはじまっている。

ビットコインや電子マネー、ポイントなどが普及するに連れて、通貨発行権すらも国から企業に移行しつつある。電子マネーの普及は国家の徴税権が弱まっていくことを意味する。

未来に先回りする思考法 未来に先回りする思考法
佐藤 航陽

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どれくらいの時間軸でこの本で記載されているようなことが実現すると予想しているのかによって人生変わってくるなと思いました。
多くの人が自分が生きてるうちにはそんなことは実現しないであろうと考えているけれども、近いうちに実現する見込みがあるという分野に注力するのは生き方として面白そうです。タイミングが早すぎてまったく芽が出ないというのもあり得ますが、ほとんどの人に早すぎると言われて反対されるくらいがちょうど良いのかなとこの本を読んでいて感じました。