小さな会社が進出する先をどう選ぶか、これから海外で働きたいと思っている人がどう移住先を選ぶといいかを考えてみました。

自分の強みとの整合性

移住した先で自分の得意なことが仕事になるかを考えます。場所によってはそもそもマーケットがまだできていないかもしれませんし、逆にすでに飽和していて入る余地がないかもしれません。

経済成長率や人口動態などのマーケットサイズにかかわるデータ

現在どれくらいの経済成長をしているのかを調べます。人口や平均所得がどう推移しているか、今後どうなるのかの予測データなどを調べておくことで、今後マーケットがどう変わっていくのかを推測します。人口の年齢別比率がどう変わっていくかは、ほぼ確実なすでに起きている未来なので、10年後、20年後というかなり先のことでも比較的簡単に予測できます。

日本やそのほかの国との関連

その国の人が持つ日本へのイメージは、見えづらい部分ではありますが大きく影響してくる要素なのではないでしょうか。親日の国では採用しやすい、同僚・取引先とのコミュニケーションが取りやすいといったメリットがあると思います。

長い目で見てビジネスマンとして特殊なポジションを築くことができるかも大切だと思います。進出先・移住先に日系企業が多数進出していて、日本人がたくさんいるとそれだけ機会も多いですが、個性を出しづらくなると思います。逆に日本人があまりいない国にいけば、将来その国と日本の関係性が強まってきたときに貴重な存在になれるかもしれません。

言語

どの言語をメインで使っているか、第2母語の有無、英語・日本語の話せる人の率なども重要な要素となります。コミュニケーションできなければ仕事が円滑に進むはずもないので、自分や同僚の言語スキル次第でビジネスの成否が変わってきます。
完全に1国ローカルなビジネスをするのであればあまり気にする必要がないかもしれませんが、複数の国を相手に仕事をすることを考えると、共通言語となる英語を話せる人の見つけやすさは大きな要素になります。また英語を話せる人の価値は国によって異なります。大量に話せる人がいる場所では人件費にあまり大きな差はありませんが、そうでなければ現地平均よりもはるかに高い給料の支払が必要になります。

法律や条例など

前提となる法律や規制を調べておくことは必須で、これがないと知らないうちに不法労働をしていたなんてことになりかねません。国によって外資が参入できる業種に制限を設けていることがありますので、調べてからはじめないとあとで痛い目を見るかもしれません。
出資比率の問題も重要で、現地人の出資が一定以上ないと会社設立自体ができないということもあります。特例が用意されていて、政府に申請すると外資100%でも設立できる場合もありますので、専門のコンサルタントに聞くなどして調べてみましょう。
また、名義貸しをしている業者なども多数あります。
どれくらいの頻度で法律や規制が変わっているのかという過去の履歴も調べてみましょう。前提となる部分が変わり大きな影響を被って事業を存続できなくなるなんてことがありえます。
警察、官僚、政治家などとのコネクションをつくっておくことでリスク回避できる場合があります。わいろが公然のものとなっている国もありますが、そういうものだと思ってあまりに気にせず従うのがスムーズにことを進めるためのポイントだと思います。

社会体制と安定性

政情が安定しているかどうかは非常に重要で、2010年にタイのバンコクで発生した大きなデモのように、市街地で銃撃戦が始まってしまうようなことがあっては仕事どころではなくなってしまいます。未来のことは誰にもわからないので、気にしすぎるのもよくありませんが、土地建物などの大きな設備投資が必要なビジネスをはじめる場合などは、現在の政権から変わる可能性がどれくらいあるのかを調べておきましょう。

突然ビジネスの中止を言い渡されて資産をすべて没収されるなんてことが起こりえます。また、先日Googleが中国からの撤退を表明したように、ビジネスの根幹となる部分で現地の政権と対立すると、当然ですがビジネスを進められなくなります。ネットワークをいじってサイトへの接続そのものを断たれてしまえば、インターネットでのサービスを続けることはできません。こういったリスクを考えると、現地の偉い人と仲良くなっておく、大きな企業と組んで進めるといった対策を検討するべきかもしれません。

人材の確保の難易度と人件費

ビジネスで欠かせないのはなんといっても人です。現地人に権限移譲してビジネスを進めなければ、すぐに限界がくると思います。そういった大きなことを任せられるような人を見つけましょう。まかせることで、さぼっていた・勝手に他の仕事していた、経費を自分の懐に入れていた、うまくいきだしたタイミングでクライアントや従業員をまとめて引っこ抜いて独立したみたいなトラブルが発生することもあると思いますが、そういったことが発生するリスクを取ってでも現地人に任せていかないと大きな成長はないかと個人的には思います。

マネージャーや経営者の確保と同様にそのほかの従業員の採用です。外国は一般的に日本よりも離職率が高いので、それを前提とした採用活動が求められます。外国では従業員側がマーケットでの自分の価値を高めようとする意識が強く、給料を上げないと転職する、自分が高めたいスキルと結びつかない仕事はやりたくないというような傾向があります。