企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔を読んでみました。複数のブログやサイトで推薦されているのを見たのがきっかけです。
すごく参考になる面白い本だったのでおすすめです。

アップル、マクドナルド、食肉業界大手や石油メジャーなどの、いわゆる世界を変えるほどの力を持っている大企業の動きなどを解説しつつ、企業がどう国家に影響をおよぼし、また国家の枠組みを超えて活動しているかが説明されています。

帝国企業の特徴として以下があげられています。

1.得意分野への集中
2.小さな本社機能
3.世界中から「仕組みが創れる」人材を獲得
4.本社で「仕組み」を創り、それを世界中に展開
5.最適な土地で最適な業務を遂行
P43

とにかく1つの分野にぶれずにフォーカスし、本社部門のスタッフの人数は少ないままで、世界中に同じ仕組みを広げるという成功パターンが例示されています。

国を超えてビジネスをしている帝国化した企業にとっては、仕組み化を突き詰めて以下に安い金額で外注していくかが利益を上げるために必要になってきます。アップルがフォックスコンに製造を委託しているのを例にあげ、どう効率化が進められていくのかを明らかにしています。
アップルの上級幹部の給料はフォックスコンの労働者の2,000倍以上だそうですが、仕組みを創る側と、つくられた仕組みの中で働く代替可能な仕事だけをする人で2極化していくという点は、他の書籍でも多数指摘されている議論なのですが、この傾向が強くなっていくのは明らかですね。そのような2極化が推し進められる環境の中で、どういったスキルをつければ生き残っていけるのかも提案してくれています。

石油メジャーがアフリカの国家にどういう影響を与えているか、ロビー活動でどう政府を操作するか、広報活動でどう世論に訴えかけて自社に有利な方向に誘導するかといった大企業ならではの動き方が説明されていたのも参考になりました。

企業が国家を意識しなくなっていくのは間違いないということを再認識した本でした。大企業でなく、中小企業ですら国家をこえて最適な場所でビジネスをするようになっていくのでしょうね。
ある程度まで規模が大きくなってきて母国のマーケットをそれなりに獲得してしまい、もう海外に出ないとそれ以上伸びる余地がないという状態や、コスト構造的に海外に出ないと生き残れないという状況においては、国を意識してビジネスしていたら会社が止まってしまいます。

企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔 (アスキー新書) 企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔 (アスキー新書)
松井博

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