グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ」がすごくよかったのでおすすめです。

インターネットに関連した仕事をしている人は多少なりともグーグルの動向に影響を受けるはずなので、読んでおいて損はないと思います。

グーグルの社内での取材を許されたはじめての本ということで、今まで出版されたどのグーグル関連本よりも内情を詳しく書いてあります。スカイプの買収を検討していたときの社内政治の駆け引きや、中国向けサービスの政治的なやりとりなど、中に入り込まないとわからない事情がよくまとまっていました。創業時から最近までの一連の流れが詳しく描かれています。

筆者はラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンという創業者2人とエリック・シュミットという後から経営者として入ってきたCEOがどういう思想を持ってサービスを創っているのかという点に特に着目しているように感じました。特にラリー・ペイジのほとんどの人にとって現実味がないと感じられるほど未来を先取りしたサービスを考えて試そうとする行動様式がクローズアップされていました。

創業者の考え方も含め、グーグルがどういった文化を持っていて、どういう考え方をして意思決定しているのかが多少はつかめます。特に未来を予測して仕事を創り出したり、大きな方針を決める立場にある人は読むべき本だと感じました。

グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ
スティーブン・レヴィ,仲達志,池村千秋

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サービスへのこだわりや姿勢を示すものとして印象的だったのがGメールの初期段階でのテストのエピソードと、検索エンジニアに対する待遇です。引用ではなく要約です。

Gメールをつくった担当者がラリー・ペイジにデモを見せたところ、ページを読み込むまでの速度が遅すぎると顔をしかめて、600ミリ秒(10分の6秒)もかかっていると指摘された。そんなことわかるはずがないと思って担当者は頭の中で反論したが、自分のオフィスに戻ってからスピードをチェックすると、読み込み時間がぴったり600ミリ秒だった。その後担当者が自分でもできないか試してみたら、大した努力もせずに100ミリ秒単位の精度で時間が測れるようになった。しかも、社内にはこういうことができる人間がいくらでもいた。

検索エンジニアにはそれぞれ、ウェブ全体のインデックスを保存したサーバーが1セットずつ支給されて自由に使うことができた。

このように、サービス向上のためのこだわりや、グーグルが運営しているサービスはどのようにブレイクスルーに至ったのかといった点が担当者からヒアリングを元に解説されています。

最後の数章では、ソーシャルメディアの分野でどうグーグルが劣勢に至ってしまったのかを、Facebook、フォースクエア、Twitterなどを関連づけて説明しています。特にFacebookについて詳しく説明されています。

グーグルとの比較をするという意味で「フェイスブック 若き天才の野望」という本もおすすめです。
本書と同じように創業期からの一連のエピソードが詳しくまとまっています。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた) フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
デビッド・カークパトリック,小林弘人 解説,滑川海彦,高橋信夫

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