中国共産党がインターネット上で自分たちに都合の悪い情報を見えないようにするためにどのような活動をしているかをまとめている本です。インターネットの情報拡散を止めるという一見不可能ではないかと思えることでも、政府が本気出せば何とかなりそうというのがわかる内容です。

ネット大国中国――言論をめぐる攻防 (岩波新書) ネット大国中国――言論をめぐる攻防 (岩波新書)
遠藤 誉

岩波書店
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北京市インターネット宣伝管理弁公室という管理組織では、サイトを運営する企業に対して政府の意に沿わない情報を配信していないかをチェックする点数制を採用しているそうです。

今後、北京市インターネット宣伝管理弁公室は審査を強化し、命令の執行状況を記録する。1回の違反につき1点を引く。あなた方のウェブサイトに1年間分の点数として100点を与え、減点されて残りが30点にまでなった時、そのサイトを封鎖して営業停止にする。その場合、そのサイトの編集長、編集主幹ら責任ある立場の者の更迭を指示し、その名簿を作成し、再任を禁ずる。
(77ページ)

意に沿わない記事を公開し続けると、営業停止になるだけでなく、責任者んはその後の動向を逐一政府に監視されてしまうということのようです。簡単にいえば政府に目をつけられるとインターネット上から締め出されるということになります。

政府によって雇用されたサクラが世論を誘導を目的として掲示板などに書き込みを行うというネット評論員(網絡評論員)が組織化されているなど、インターネット上で民意をいかにして操るかというテーマに政府が熱心に取り組んでいることがわかる制度も紹介されています。

Google、Twitter、Facebookなどいずれも追い出されて現地の会社が同じことをしている現状を見ると、現地の会社として進出しないと難しいように思えます。雇用や情報を守るという意味でも、インフラレベルにまで普及するサービスは外資に任せないという国の方針は今後も変わらないでしょう。
政府の検閲によってIPアドレスやドメインなどでブロックされたら一発でアウトというのは非常に大きなカントリーリスクなので、進出する前の前提として、どうそこをクリアにするのかという点をはっきりさせておかないといけないですね。