鈴木さんにも分かるネットの未来という本がすごく参考になりました。インターネットやコンテンツに関連した仕事をしている人は必読だと思いましたので紹介します。タイトルからネットにあまり詳しくない人向けなのかと思いましたが、ある程度ネットやコンテンツビジネスについて知っていることが前提になっているようでした。

著者の川上さんは株式会社KADOKAWA・DWANGOの代表でスタジオジブリに弟子入りして鈴木敏夫プロデューサーと過ごしていたということです。

プラットフォームとコンテンツ提供側の駆け引き

特にプラットフォームとコンテンツ提供事業者が今後どう立ち回っていくのかが整理されている点がよかったです。
プラットフォームとコンテンツの力関係によってどう行動するのが良いかが説明されている箇所が参考になりました。コンテンツ提供をしている会社につとめている人が読むと今後のプラットフォームへの参加方針に影響があると思います。
角川(コンテンツ提供側)とドワンゴ(ニコニコ動画というプラットフォーム運営)の両方を見ている川上さんだからこその内容だと思います。

コンテンツの価格はどう決まるか

利用者の相場観によってコンテンツの価格が決まっていて、相場感をどう操作するかが重要というところが印象的でした。
MMOを例にして、コンテンツを更新していってそれをダウンロードする権利を売るというような、どうしたらコピーされずにお金を払っているかについて書いています。

なんでも無料になっていく流れの中で、結局誰かがコンテンツの制作費用を負担するので無料にはならないと説明しています。その箇所でお金を払ってもらう仕組みを具体的な案としていくつも説明していたのが参考になりました。

ネットに国境はできるか

ネットに国境を置くべきかどうかという説明もとても興味深かったです。税金や法律の観点から政府がネットに国境がつくるべきかが書かれていて、実現可能性はともかくとして、各国が規制を強化して国境をつくる動きができるだろういう予測がされています。
ここでいう国境は、特定のサイトやIPを国内から閲覧できないようにすることを指しています。海外のサーバを止めさせたりするのは各国の法律が異なることを考えると難しいためです。国内企業は規制されている状態なのに、海外企業は日本の法律を守らなくて良い状態は、実質海外の企業を優遇しているのと変わらないので、なんらかの規制が必要としています。

すべて電子書籍に置き換わるまでの流れ

電子書籍に置き換わるのは明らかというスタンスで、そこに到達するまでのステップが予想されています。

他の話題としてはネットテレビ、ビットコインなどがありました。
いずれもトラフィックなどの論理的な観点から現状を分析して今後どうなるのかを予測しています。

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川上 量生

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