昨日は雇用や仕事が海外に流れていくことについて書きましたが、税金などの国としての制度も、雇用と似たように世界とくらべられるようになってきています。

以下は三菱商事の主力の金属資源トレーディング部門がシンガポールに本社を移すというニュースの解説です。

三菱商事の主力部門シンガポール移転のワケ

税金が高い国の企業と低い国の企業で毎年の納税額が何千億も違う状態だと、やはり高く払っているほうが負けやすくなるのは確実です。

たとえばユニクロを運営しているファーストリテイリングの直近の税引き前利益が約1,234億で、業界トップのH&Mが約1,860億円なのですが、ユニクロが払った税金は約518億、税率は約40%に対して、H&Mは約490億、25%です。

仮に利益額で追いついて、両方年間2,000億になったとすると、ユニクロ800億、H&M500億の納税となり、300億もの差が開きます。仮に途上国での1店舗あたりの出店費用を平均3,000万とすると、毎年1,000店舗分も差がつくわけです。

税率だけで毎年大きく差をあけられるわけで、場所関係なく世界中で競争しているこれくらい規模の大きな会社にとっては死活問題です。上場企業だと難しいかもしれませんが連結対象にしない会社をつくって税金を海外で払うようにしたり、海外に本社を移転させたりするのは仕方がないことだと思います。

短期間の納税額を増やすために競争に負ける企業を増やしてしまうような税率を維持するのではなく、グローバルな競争に勝ってもらってそこから薄く税金を取るほうがよいです。企業が海外に本社移転する、もしくは生き残れなくて倒産してしまったら、納税額が減るだけでなく雇用も大きく減ってしまうので。

制度が変わっていくのが理想ですが、今後は制度の変更が環境の変化に追いつかなくて、節税や雇用の都合で大企業でも海外に本社を移す流れが加速するでしょう。