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グーグルの人事責任者による採用、育成、評価方法「ワーク・ルールズ!」

ワーク・ルールズ!はグーグルの人事担当上級副社長のラズロ・ボックによるグーグルの人事制度を解説した本です。
ラズロ・ボックは2006年にグーグルに入社して、従業員が6,000人から60,000人になるまでの過程で人事の仕組みを構築してきた人です。
グーグルがどのように採用や人事制度の構築に試行錯誤してきたかがわかって参考になります。

1.仕事の意味をもたせる
2.人を信用する
3.自分より優秀な人だけを採用する
4.発展的な対話とパフォーマンスのマネジメントを混同しない
5.「2本のテール」に注目する
6.カネを使うべきときは惜しみなく使う
7.報酬は不公平に払う
8.ナッジ-きっかけづくり
9.高まる期待をマネジメントする
10.楽しもう!(そして、1に戻って繰り返し)

以下は印象的だった点に関してのメモです。だいぶ省略されている箇所があると思います。

透明性が重要だと考えていて、新しく入ったエンジニアにもソースコードはほとんどオープンになっている。また、役員会の数日後には役員がどういった資料でプレゼンテーションが行われたかを共有している。また、定期的にCEOに直接質問できる時間が設けられている。

多くの企業が社員のトレーニングにかなり大きな金額を投資しているが、トレーニングに使う予算を使って最初から優秀な人を雇うことができるならそうするべき。A.成績上位10%の人材を採用して、すぐに素晴らしい仕事をしてもらう、B.平均的な成績の人材を雇い、トレーニングで上位10%にする という2つの選択肢をくらべたとき、あきらかにAのほうが効率がよいが、実はコストもAのほうが安いかもしれない。

gHireというGoogleが自社で構築したツールをつかって、求職者を追跡、管理している。一握りの傑出した企業についてはほぼ全員のリストを作り、誰がGoogleにフィットしそうなのかを評価している

優秀なエンジニアのチームが他の国にいたときに、そのチームの採用のためだけに現地オフィスをつくった

面接者を支援するためにqDroidというツールをつくっている。面接者が求職者に担当させようと思っている仕事を選んで、テストしたい属性にチェックを入れると、質問事項を自動的にはきだしてくれる。これによって有効な質問を出しやすくなる。

採用に関して当初すごくエリート主義だったのが、少しずつ学歴に対する意識を改めていった。

初期は採用に慎重になりすぎていて、最大で25回もの面接をしていたこともあった。しかし調べた結果、4回の面接で86%の信頼性で採用すべきかを判断でき、その後の面接では1回につき1%しか予測精度が向上しなかったために、最大4回に面接の回数を制限した。

グーグルガイストという匿名でスタッフ向けにアンケートを取る仕組みがある。3人を超える回答者を部下に持つマネージャーは全員、部下の回答を元にしたレポートを受け取る。これによってマネージャーは自分のやり方をチームメンバーがどう見ているかがわかる。

業績評価と人材育成は完全に切り離して取り組むべきもの。

ミーティングの前後で簡単なフィードバックをすることで日々改善される。

社員のトレーニングは管理職にとって最も効率の高いパフォーマンスを出せる仕事のひとつ。

G2G(グーグラートゥグーグラー)という社員同士で教えあう仕組みがある。仕事に関連した専門的なものから、純粋な娯楽まで両方含まれている。

社内でアワードを開催して、インセンティブを出すときには、お金ではなくて経験(旅行、ディナー2人分やタブレットなど)を支給したほうが満足感が長く続く。

子供の職場参観、親の職場参観を開催している。

ほんの小さな働きかけ(ナッジ)で社員の行動が変わる。新入社員のために簡単なチェックリストを用意しただけで、より早く研修を終えて、25%早いペースで戦力になった。
1.仕事の役割と責任について話し合う
2.ヌーグラーに相棒をつける
3.ヌーグラーの社会的ネットワークづくりを手助けする
4.最初の半年は月に1回、新人研修会を開く
5.遠慮のない対話を促す

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える
ラズロ・ボック,鬼澤 忍,矢羽野 薫

東洋経済新報社
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以前読んだ「ALLIANCE 人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用」と同じように組織をつくっていくときの参考になる本でした。

退職前提の雇用とコミットメントのタイプを説明した「ALLIANCE 人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用」の感想和僑として働く

【書評】グーグル ネット覇者の真実 インターネット関連の仕事をしている人は読むべき本

グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ」がすごくよかったのでおすすめです。

インターネットに関連した仕事をしている人は多少なりともグーグルの動向に影響を受けるはずなので、読んでおいて損はないと思います。

グーグルの社内での取材を許されたはじめての本ということで、今まで出版されたどのグーグル関連本よりも内情を詳しく書いてあります。スカイプの買収を検討していたときの社内政治の駆け引きや、中国向けサービスの政治的なやりとりなど、中に入り込まないとわからない事情がよくまとまっていました。創業時から最近までの一連の流れが詳しく描かれています。

筆者はラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンという創業者2人とエリック・シュミットという後から経営者として入ってきたCEOがどういう思想を持ってサービスを創っているのかという点に特に着目しているように感じました。特にラリー・ペイジのほとんどの人にとって現実味がないと感じられるほど未来を先取りしたサービスを考えて試そうとする行動様式がクローズアップされていました。

創業者の考え方も含め、グーグルがどういった文化を持っていて、どういう考え方をして意思決定しているのかが多少はつかめます。特に未来を予測して仕事を創り出したり、大きな方針を決める立場にある人は読むべき本だと感じました。

グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ
スティーブン・レヴィ,仲達志,池村千秋

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サービスへのこだわりや姿勢を示すものとして印象的だったのがGメールの初期段階でのテストのエピソードと、検索エンジニアに対する待遇です。引用ではなく要約です。

Gメールをつくった担当者がラリー・ペイジにデモを見せたところ、ページを読み込むまでの速度が遅すぎると顔をしかめて、600ミリ秒(10分の6秒)もかかっていると指摘された。そんなことわかるはずがないと思って担当者は頭の中で反論したが、自分のオフィスに戻ってからスピードをチェックすると、読み込み時間がぴったり600ミリ秒だった。その後担当者が自分でもできないか試してみたら、大した努力もせずに100ミリ秒単位の精度で時間が測れるようになった。しかも、社内にはこういうことができる人間がいくらでもいた。

検索エンジニアにはそれぞれ、ウェブ全体のインデックスを保存したサーバーが1セットずつ支給されて自由に使うことができた。

このように、サービス向上のためのこだわりや、グーグルが運営しているサービスはどのようにブレイクスルーに至ったのかといった点が担当者からヒアリングを元に解説されています。

最後の数章では、ソーシャルメディアの分野でどうグーグルが劣勢に至ってしまったのかを、Facebook、フォースクエア、Twitterなどを関連づけて説明しています。特にFacebookについて詳しく説明されています。

グーグルとの比較をするという意味で「フェイスブック 若き天才の野望」という本もおすすめです。
本書と同じように創業期からの一連のエピソードが詳しくまとまっています。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた) フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
デビッド・カークパトリック,小林弘人 解説,滑川海彦,高橋信夫

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